【リグーリア】
テラッツェ・シンギエterrazzesinghie

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Terrazze Singhie

テラッツェ・シンギエ

CARCARE|LIGURIA

リグーリアの絶滅危惧品種ルマッシーナの復活

Ca' la Bionda

◭120年前に作られた段々畑

大学で植物学を学んだマウロ。卒業後はニュージーランドで自然に関わる仕事を探していましたが、偶然ワイナリーで働く事になります。ここで出会ったのが、自然醸造を学んでいた現在の奥さん、サラ・ポーロでした。
ビオディナミで自然環境に負荷をかけない農業を経験したマウロ。生まれ故郷のリグーリアの耕作放棄された昔ながらの畑と工業的ワイン造りで丘が削られた効率的農業の惨状を自分達で救いたいと考えるようになります。
イタリアに戻り、トスカーナ、シチリアのビオディナミを実践しているカンティーナで働き、経験を積みます。5年間の経験の後、地元で畑を探し始めますが、観光ワイン産地と化しているリグーリアで理想的な畑は見つかりません。
ある日、山の土地が売りに出ているのを見つけ、興味本位で訪問すると山奥の斜面に荒廃した葡萄畑を発見します。今では誰もワインを造っていないフランス国境に近いオルコ・フェリーノ村の山中。道も無く獣道を30分歩かないと辿りつけない場所でした。
『栗、松、オーク、ヒイラギガシ、イチゴ、サクランボ、アプリコット等、60種類以上の野生植物が育つ断崖絶壁に段々畑が組まれ、古い葡萄樹が野生化し、地面を這いつくばって生きていたのです。120年以上前に作られた畑でした』
2017年、0.6haの畑を購入した2人は近くのカルカレ村の廃墟を購入し、ワイン造りを開始。テッラツェ・シンギエと名付けました。小さな発酵槽3つと古樽6つ、小さな除梗機のみ。ポンプも無い最低限の設備のカンティーナです。

◭古代品種ルマッシーナ・ディ・ボスコ

森に囲まれた畑は29段の石垣が組まれている段々畑、標高は300~320m。1つ1つの樹をその樹の行きたい方向に行かせるアンブルステインという手法で再生していきます。森の栗の木で支柱を作り、柳のツルで固定していきます。
葡萄品種は絶滅危惧品種となっている「ルマッシーナ・ディ・ボスコ」でした。リグーリアでもサボナ地区の3つの丘にしか存在しない希少種で、骨格とミネラル感が特徴なので、ヴェルメンティーノの補助品種として昔はよく使われていました。
『カタツムリを意味するルマッシーナ。カタツムリのように生育が遅い事から名付けられた。この地域の水はけのよい急斜面と砂を多く含むシルト土壌と相性が良いが、果皮が薄く、カビに弱いので栽培面積は激減していました』
14世紀からサボナ地区で栽培されてきたルマッシーナは繊細な性格で、この地域のテロワールでしか育ちません。果皮に旨味と香味成分を蓄えているのでマセラシオンする事で火打石やエルダーベリー、オレンジの皮のようなニュアンスが出てくる不思議な品種。

◭山のルマッシーナ、海のヴェルメンティーノ(ピガート)

2021年からは海に近いチェリアーレ地区のヴェルメンティーノと内陸部のピガートを使ったワイン造りも開始。山の繊細さを感じさせるルマッシーナ。海の潮と暑さを感じさせるヴェルメンティーノ。赤土の力強さが味わえるピガートとリグーリアの3つの個性が揃います。
■海のヴェルメンティーノ「ヴェピ」
標高0mの畑で海に近く砂とライムストーンが多く地下3mには海水が溜まっている畑のヴェルメンティーノは力強く、塩分と果実の甘味が独特の個性を作ります。
■赤土のピガート「ピペ」
鉄を多く含む赤土土壌に育つピガート。海の水もなく乾燥しているので非常に凝縮し、よりアプリコットや麝香が出てきてエキゾチックな味わい。

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